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判例紹介(雇用関係の終了・解雇)1.退職の意思表示―大隅鐵工所事件―

(最高裁昭和62年9月18日第三小法廷判決)

事実の概要

原告Xは、昭和47年4月、被告Y社に入社したが、同期入社のAとともに、会社内の民青の活動に従事していた。ところがAは、同年9月24日に自宅を出た後、会社の寮に戻らず失踪した。
翌日人事第一課主任らの調査により、失踪直前、XがA宅に訪問した事実が判明し、また会社寮内のAの部屋からXの氏名を記載した大学ノートおよびA宅の同人の部屋から民青に関る資料が発見された。そのため、Xは、連日、会社の人事担当者からAの失踪に関し事情聴取を受けたが、まったく心当たりはない旨答え、民青活動については何も話さなかった。
同月28日、Y社は社外調査を行ったが、Aの行方について何らの手がかりも得られなかったため、人事管理の最高責任者である人事部長は、Aの民青関係資料を取り寄せ、これを切り札としてXに示し、XがAの失踪原因につき何も知らないかどうかに決着をつけようとし、同日午後5時10分頃、第一および第二人事課長とともにY社の応接室でXと面接した。その席上、人事部長が、民青関係資料を机の上に置きながら、「この記事の中からA君の手掛かりが出てこないか、君ひとつ見てくれないか」と申し向けたところ、Xは、その資料に手を触れないまま茫然自失の状態で暫時沈黙していたが、突然、「私は退職します。私はA君の失踪とは全然関係がありません」と申し出た。人事部長は、民青同盟員であることを理由に退職する必要はない旨告げて慰留したが、Xはこれを聞き入れなかったので、第一人事課長に命じて退職願の用紙を取り寄せ、Xに交付したところ、Xは、その場で必要事項を記入して署名捺印したうえ、これを人事部長に提出し、同部長はこれを受け取った。
その後、Xは、第一人事課長から退職手続きをするように促され、身分証明書、食券、作業衣、職章、職札等を返還した。しかし、従業員預金の解約、大隅労働組合からの脱退、大隅消費生活協同組合からの脱退等の手続や私物の引取り等は、その日のうちに完了できないため、Xは翌日これらを行う旨述べ、午後6時30分に退社した。しかし、翌29日、退職願いを撤回することを第一および第二人事課長に申し出て、拒絶された。
そこで労働契約上の地位確認を求めたのが本件である。一審(名古屋地裁)は、退職の意思表示をなすにあたって動機の錯誤(民法95条)があったとして退職の意思表示を無効とした。二審(名古屋高裁)は、動機の錯誤にあたらないとしたが、Xの意思表示を、雇用契約の合意解約の申入れとしたうえで、
(1)Y社がXに対し退職の辞令書を交付する等の方法により明示的に解約承諾の意思表示をしたとの点について何らの主張立証がない。
(2)採用が人事部長を含めた四名の面接等によって行われている事実に対比すると、退職の場合も、人事部長個人の意思だけではその形成が考えられない。
という理由から、人事部長による退職願いの受理のみでは、雇用契約解約の申入れに対する承諾があったとはいえない、と判決した。
Y社が上告した。

判 旨

破棄差し戻し
1.「私企業における労働者からの雇用契約の合意解約申込みに対する使用者の承諾の意思表示は、就業規則等に特段の定めがない限り、辞令書の交付等一定の方式によらなければならないというものではない。」
2.「労働者の新規採用は、その者の経歴、学識、技能あるいは性格等について会社に十分な知識がない状態において、会社に有用と思われる人物を選択するものであるから、人事部長に採用の決定権を与えることは必ずしも適当ではないとの配慮に基づくものであると解されるのに対し、労働者の退職願に対する承認はこれと異なり、採用後の当該労働者の能力、人物、実績等について掌握し得る立場にある人事部長に退職承認についての利害得失を判断させ、単独でこれを決定する権限を与えることとすることも、経験則上何ら不合理なことではないからである。したがって、Xの採用の際の手続きから推し量り、退職願いの承認について人事部長の意思のみによってYの意思が形成されたと解することはできないとした原判決の認定判断は、経験則に反するものというほかはない。」
3.「I部長にXの退職願に対する退職承認の決定権があるならば、原審の確定した前記事実関係のもとにおいては、I部長がXの退職願いを受理したことをもって即時承諾の意思表示がなされたもとのいうべく、これによって本件雇用契約の合意解約が成立したものと解するのがむしろ当然である。」

雇用関係の終了・退職に関しては、次の判例を取り上げています。

こちらからご覧ください。⇒判例紹介(雇用関係の終了・退職)
1.退職の意思表示の形式、退職の意思を受け取ることは人事部長で足りるのか?(大隅鐵工所事件)
2.退職勧奨は合法か? 違法な退職勧奨とはなにか?(下関商業高校事件)
3.解雇予告期間、予告手当について(細谷服装事件)
4.アナウンサーが寝過ごして放送に穴をあけてしまった。解雇可能か?ついての有名判決です。(高知放送事件)
5.整理解雇の要件(その要件は労働契約法に明示されましたが判例の重要性は変わりません。(東洋酸素事件)
6.有期契約の更新(労働契約法で定められましたが、中身について判例の重要性は変わりません。(日立メディコ事件)
7.解雇無効となった場合に、解雇期間中にアルバイトなどをしていた場合の取り扱い(あけぼのタクシー事件)

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