問題社員の解雇・円満退職サポート|トラブルを未然に防ぐ!無料相談実施中

問題社員の解雇・円満退職サポート

【対応地域】京阪神地域(その他地域について応相談)

075-708-8349

電話受付時間 : 平日9:00〜20:00 休業日:日祝

メール対応は24時間受け付けております。

お問い合わせはこちら

判例紹介(雇用関係の終了・解雇)4.解雇権の濫用―高知放送事件―

(最高裁昭和52年1月31日第二小法廷判決)

事実の概要

X(被上告人)は、放送事業を営むY社のアナウンサーであったが、担当する午前6時から始まる10分間の定時ラジオニュースにつき、2週間に2回の寝過ごしによる放送事故を起こした。第一事故は、昭和42年2月23日のもので、Xは前日から訴外A(ファックス担当記者)と宿直勤務した後、午前6時20分まで仮眠してしまったため定時ラジオニュースは全く放送できなかった。第二事故は、翌月8日のもので、同様に訴外Bと前日から宿直した後、寝過ごしてしまったため定時ラジオニュースを約5分間放送できなかった。そして、Xは第二事故については、上司に報告せず、後にこれを知った訴外C部長から事故報告書を求められ、事実と異なる事故報告書を提出した。
そこで、Y会社は、Xを解雇した。Y会社は、Xの行為は就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するので懲戒解雇すべきところ、再就職など将来を考慮して普通解雇にしたとする。Y会社の就業規則15条には、普通解雇事由として、「一、精神または身体の障害により業務に耐えられないとき。二、天災地変その他已むを得ない事由のため事業の継続が不可能となったとき。三、その他、前号に準ずる程度の已むを得ない事由があるとき。」と定められていた。
Xは、Y会社の従業員としての地位の確認を求めて出訴した。第一審(高知地裁)および控訴審(高松高裁)はXの請求を認容したので、Y会社が上告した。

判 旨

上告棄却。
1.Xの行為は、就業規則15条3号の普通解雇事由に該当する。「しかしながら、普通解雇事由がある場合においても、使用者は常に解雇しうるものではなく、当該具体的な事情のもとにおいて、解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないときには、当該解雇の意思表示は、解雇権の濫用として無効になるものというべきである。」
2.本件でXの起こした第一、第二事故は「定時放送を使命とするY会社の対外的信用を著しく失墜するものであり、また、Xが寝過ごしという同一態様に基づき特に2週間内に2度も同様の事故を起こしたことは、アナウンサーとしての責任感に欠け、更に、第二事故直後においては素直に自己の非を認めなかった等の点を考慮すると、Xに非がないということはできない。」しかし、他面で「本件事故は、いずれもXの寝過ごしという過失行為によって発生したものであって、悪意ないし故意によるものではなく、また、通常は、ファックス担当者が先に起きてアナウンサーを起こすことになっていたところ、本件第一、第二事故ともファックス担当者においても寝過ごし、定時にXを起こしてニュース原稿を手交しなかったのであり、事故発生につきXのみを責めるのは酷であること、Xは、第一事故については直ちに謝罪し、第二事故については起床後一刻も早くスタジオ入りすべく努力したこと、第一、第二事故とも寝過ごしによる放送の空白時間はさほど長時間とはいえないこと、Y会社において早朝のニュース放送の万全を期すべき何らの措置も講じていなかったこと、事実と異なる事故報告書を提出した点についても、一階通路ドアの開閉状況にXの誤解があり、また短時間内に2度の放送事故を起こし気後れしていたことを考えると、右の点を強く責めることはできないこと、Xはこれまで放送事故歴がなく、平素の勤務成績も別段悪くないこと、第二事故のファックス担当者Bはけん責処分に処せられたにすぎないこと、Y会社においては従前放送事故を理由に解雇された事例はなかったこと、第二事故についても結局は自己の非を認めて謝罪の意を表明していること、等の事実があるというのであって、右のような事実のもとにおいて、Xに解雇をもってのぞむことは、いささか過酷にすぎ、合理性を欠くうらみなしとせず、必ずしも社会的に相当なものとして是認することはできないと考えられる余地がある。したがって、本件解雇の意思表示を解雇権の濫用として無効とした原審の判断は、結局、正当と認められる。」

雇用関係の終了・退職に関しては、次の判例を取り上げています。

こちらからご覧ください。⇒判例紹介(雇用関係の終了・退職)
1.退職の意思表示の形式、退職の意思を受け取ることは人事部長で足りるのか?(大隅鐵工所事件)
2.退職勧奨は合法か? 違法な退職勧奨とはなにか?(下関商業高校事件)
3.解雇予告期間、予告手当について(細谷服装事件)
4.アナウンサーが寝過ごして放送に穴をあけてしまった。解雇可能か?ついての有名判決です。(高知放送事件)
5.整理解雇の要件(その要件は労働契約法に明示されましたが判例の重要性は変わりません。(東洋酸素事件)
6.有期契約の更新(労働契約法で定められましたが、中身について判例の重要性は変わりません。(日立メディコ事件)
7.解雇無効となった場合に、解雇期間中にアルバイトなどをしていた場合の取り扱い(あけぼのタクシー事件)

社会保険労務士 林田事務所(京都市)では、問題社員への対応、解雇トラブル回避と円満退職サポート、リストラ、就業規則見直しおよび労務トラブル予防などについて初回無料相談をお受けしています。
お問い合わせ

無料相談受付中!
075-708-8349
今すぐ、お気軽にお電話ください。 代表の林田が直接対応いたします。
【対応時間:9時~20時(月~土)】
【休日:日・祝日】
メールでのお問い合わせはこちらをクリック
Return Top