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判例紹介(雇用関係の終了・解雇)5.整理解雇―東洋酸素事件―

(東京高裁昭和54年10月29日判決)

事実の概要

酸素・窒素等の製造販売を営むY社は、昭和44年下期に4億円余の累積赤字を計上した。その原因は、業者間の競争激化、石油溶断ガスの登場による価格下落、そして生産性の低さ等の問題を抱えるアセチレンガス製造部門であった。
このためY社は同社川崎工場アセチレン部門の閉鎖を決定し、昭和45年7月24日、同年8月15日付でXら13名を含む同部門の従業員全員を就業規則にいう「やむを得ない事業の都合」により解雇する旨を意思表示を行った。その際他部門への配転や希望退職募集措置などはとられなかった。また就業規則や労働協約上にいわゆる人事同意約款は存在しなかった。なお、本件当時Xらは合化労連Y社労働組合川崎支部の組合員であった。
Xらの地位保全等仮処分申請に対し、原審(東京地裁)は、(1)同部門閉鎖は経営上やむをえなかった、(2)しかし配置転換や希望退職募集等の解雇回避措置を講じず直ちに全員解雇という措置をとったことは経営上やむをえないかったとはいえない、(3)会社は解雇同意約款がなくても相当の時間をかけて従業員や組合と交渉を尽くす信義則上の義務を負う、として解雇を無効とした。Y社が控訴。

判 旨

原判決取り消し、Xらの申請却下。
(一)我が国の労働関係は終身雇用性が原則であり、労働者もそれを前提に長期的な生活設計をするのが通例である。よって「企業運営上の必要性を理由とする使用者の解雇の自由も一定の制約を受けることを免れない」
(二)(1)本件解雇が「やむを得ない事業の都合による」ものとされるためには、第一に、アセチレン部門の閉鎖が「企業の合理的運営上やむをえない必要に基づくものと認められる場合であること、第二に、右事業部門に勤務する従業員を同一または遠隔でない他の事業場における他の事業部門の同一または類似職種に充当する余地がない場合、あるいは右配置転換を行ってもなお企業的に見て剰員の発生が避けられない場合」であって、解雇が使用者の恣意によるものでないこと、「第三に、具体的な解雇対象者の選定が客観的、合理的な基準に基づくものであること、以上の三個の要件を充足することを要し、特段の事情のない限り、それをもって足りる」
(2)「企業の存続が不可能になることが明らかな場合でなければ従業員を解雇し得ない」という考え方は、資本主義経済社会における現行法制の下では採用できない。
(3)人事同意約款等が存在するにもかかわらず労働組合の同意を得ず又はこれと協議を尽くさなかったとき、あるいは解雇がその手続き上信義則に反し解雇権濫用にあたると認められる場合には、いずれも解雇の効力を否定すべきではあるが、これらは解雇の効力発生を妨げる事由として就業規則上の解雇事由の存在が肯定されたのちに検討されるべきものであり、解雇事由の有無の判断に際して考慮すべき要素ではない。
(三)(1)アセチレン部門不振の原因の除去はもはや困難であり、これを放置すれば主力の酸素部門までが競争に立ち遅れ、経営に深刻な影響を及ぼすおそれがあった。よってY社がその経営安定を図るため、会社の採算上マイナス要因であった同部門を閉鎖するに至ったことは「企業の運営上やむをえない必要があり、かつ合理的な措置であった」
(2)「他部門において労働力の需要がなく、また、近い将来右需要の生ずることも期待し得ない事情にあった以上、アセチレン部門の閉鎖により全企業的に見ても右部門の従業員は剰員となったことが明らかである」
(3)①全社的な希望退職募集は同業他社からの酸素部門・営業部門従業員に対する引抜を誘発するおそれがあった、②必要な熟練工が募集に応じ退職する可能性もあった、③全社的に実施中であった自然減員での合理化計画に支障が出るおそれがあった、④本件解雇の決定後各方面から計1,220名の求人申し入れがあるなど再就職状況は良好であった、などの事情の下ではY社が希望退職募集によって経営上大きな障害が生ずることを危惧したことも首肯しうる。結局、Y社が希望退職募集を通じてアセチレン部門閉鎖による余剰人員の発生を防止すべきであったとはいえない。
(4)以上のように、アセチレン部門の閉鎖による同部門の全従業員が過剰人員になった。そしてY社が企業内の全過剰人員の中から具体的な解雇対象者としてXら同部門の従業員47名全員を選定したことは「一定の客観的基準に基づく選定であり、その基準も合理性を欠くものでは」ない。けだし、同部門は独立の事業部門であり、その全面的廃止により企業全体として過剰人員が一層増加した。この増加を食い止めるために同部門の従業員全員を整理対象としたことには、当時としては相当な理由があったといえる。
(5)よって本件解雇は「やむを得ない事業の都合による」ものといえる。
(四)当時Y社には人事同意約款等は存在しなかった。またアセチレン部門が経営上放置しえないほど赤字で廃止もありうることは繰り返し説明がなされていた。この事情の下では「Y社が組合と十分な協議を尽くさないで同部門の閉鎖と従業員の解雇を実行したとしても」特段の事情のない限り本件解雇が労使間の信義則に反するものとはいえない。

雇用関係の終了・退職に関しては、次の判例を取り上げています。

こちらからご覧ください。⇒判例紹介(雇用関係の終了・退職)
1.退職の意思表示の形式、退職の意思を受け取ることは人事部長で足りるのか?(大隅鐵工所事件)
2.退職勧奨は合法か? 違法な退職勧奨とはなにか?(下関商業高校事件)
3.解雇予告期間、予告手当について(細谷服装事件)
4.アナウンサーが寝過ごして放送に穴をあけてしまった。解雇可能か?ついての有名判決です。(高知放送事件)
5.整理解雇の要件(その要件は労働契約法に明示されましたが判例の重要性は変わりません。(東洋酸素事件)
6.有期契約の更新(労働契約法で定められましたが、中身について判例の重要性は変わりません。(日立メディコ事件)
7.解雇無効となった場合に、解雇期間中にアルバイトなどをしていた場合の取り扱い(あけぼのタクシー事件)

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